ポイント
- これからはデータの根拠に基づいた施策が必要(EBPM)
- AI-OCRは従来のOCRよりはるかに認識率が高い(精度95%以上)
- PRAはパソコンに疎い人でも3週間で習得可能
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自治体では職員数の減少や業務量の増加・広範囲化に悩まされている昨今ですが、
それを「データの活用」でなんとかできないかという動きがあります。
今回は、そのうちの「AI-OCR」と「RPA」という技術についてお話したいと思います。
AI-OCRとは?
そもそもOCRとは、Optical Character Recognition/光学的文字認識の略です。
簡単には、手書き文字や印字などを読み取ってデジタル化する技術ですね。
これまでのOCRのデメリットとして、
- 帳票の項目位置の設定等が面倒
- 専用の帳票でないと認識できない
- 誤字や見切れ文字は読み取られない
などといったことが挙げられます。
しかしそこにAI(人工知能)が加わると、これらの課題を一気に・自動で解決してくれるんです。
それが「AI-OCR」です。
「AI-OCR」の強みは、文字の認識率95%以上という驚異的数値に加え、
文字が認識範囲から見切れても機械学習で特定できてしまうことです。
先日わたしがAI inside社の「Intelligent OCR」を拝見させていただいた際、
「準備」の「備」が半分見切れている状態でもちゃんと「備」と認識していました。
RPAとは?
RPAとは、Robotic Process Automation/ロボットによる業務自動化の略です。
その名の通りですが、定例的にシステム入力などの大量業務がある場合は大いに活かせる場がありそうです。
わたしの自治体では基幹系システムに関わるパンチング作業的なところでまず導入してみようという話が進んでいます。
公務員の仕事というのはたいていの作業が定例的な業務ですので、
RPAをうまく使えれば多くの時間を節約し他の作業に回せるでしょう。
例えば毎月の財務処理なら、Excelに事前に項目と数字をまとめておけば
自動で処理してくれる、ということもできそうです。
RPAで最も有名なのはNTTデータ社の「WinActor」でしょうか。
こちらは主にブラウザ等の画像の位置情報を読み取って処理が動きます。
実物を見た限りでは非常に多くの機能が備わっており、
活用次第では幅広い業務の効率化が図れそうです。
AI-OCR+RPAという考え方
この2つの技術は非常に相性がよいです。
例えば、
①2枚組のPDFを大量スキャン
②「AI-OCR」で1つのExcelにデータがまとめられる
③Excelデータを元に「RPA」がシステムに入力
というザックリした流れが思い浮かびます。
まだまだ自治体での事例が少ないですが、なんだか想像が膨らみますよね。
LGWAN接続系でも利用できる?
例えばAI inside社の「Intelligent OCR」を取り上げると、
現状はAmazonのAWSベースなのでインターネット接続が必須となっているようです。
しかしAI技術やPRAを、オンプレミスではなくLGWAN-ASPのサービスとして提供する計画もあるようですので、来年2019年に期待です!
価格は?
例えばNTTデータのAI inside社の「Intelligent OCR」と「WinActor」(RPA)ですが、
一般的な処理件数で月額サービス(LGWAN-ASP)として提供した場合、
それぞれ約10万円と約8万円ほどになるのではないかという話を伺いました。
規模にもよると思いますが、ほぼ職員一人分の給与で大幅な業務効率化が図れるとしたら安い出費ですよね。
まとめ
実際に熊本県のある市町村ではRPAを導入し運用しているそうです。
そちらの試算によると、RPA導入でなんとマイナスの費用対効果になってしまったそうです。
というのも、RPAを1つの業務でのみ利用しようとするとそうなるんだとか。
つまり自治体で包括的に入れてやっと業務的にも価格的にもメリットになるようです。
導入までの経緯や苦労話も聞かせていただきましたが、
わたしも実際に導入する際に比較しながらみなさんにご紹介できたらと思います。
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