Point
  • GIGAスクールとかの前にセキュリティポリシー整備が必要
  • 教育情報ネットワークのセキュリティ対策は、総務省の時と同じ内容
  • 国は一切お金を出す気ありません!加えて「推奨」なので勝手にやって状態!



最近よく耳にする「GIGAスクール構想」という単語。

要点としては、超高速/大容量ネットワーク一人一台パソコンの整備みたいです。

その影に隠れてあまり新聞等では取り上げられてませんが、

教育情報のセキュリティ向上も急務だと言われています。

つまり、総務省が平成28年度までに義務付けた「行政のネットワーク強靭化」の教育版です。

一体どのようなもので、どう整備していけばよいのでしょうか。

わたしなりに考えたことをまとめていきたいと思います。




教育情報セキュリティが「いま」騒がれる理由は?


GIGAスクール構想やプログラミング教育が本格的に始める前に、

しっかりセキュリティ対策をして、意識も高めましょうというのが狙いだと考えられます。


平成32年度から、新学習指導要領が小学校から順次実施される予定となっています。

この新学習指導要領にこんなことが書いてあります。

「情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」

つまり、これからどんどんパソコンやタブレットを使って授業等ICT化していきなさいってことのようです。



スポンサードリンク



そもそもICT化で教員や生徒に何をさせたいのか?


この文部科学省が推進するICT化によって、具体的にICT端末をどう活用させたいのか。

その辺がまったく国から降りてこず、末端の市区町村としては困惑しているところです。

しかし、調べたら普通に載ってました(笑)

それが文部科学省が2019年末に出したこちらの資料!



例えば「社会」ですが、

③各自がまとめた地図を 1 つにまとめ,関連付けて考える場面
 例えば,第 3 学年「身近な地域や市の様子」の学習で,活用することが考えられる。各自が土地利用,交通,公共施設など問いごとに作った地図をタブレット型の学習者用コンピュータ上で一つずつ重ねて一枚にすることができる(C3)。
 出来上がった市の地図を基に市の様子について話し合う活動では,地図が重なっているので,児童は事実を関連付けて,市の様子を語っていくことができる(C2,B3)。
 このように,ICT を活用することで,「早く効果的に情報収集できる」,「見えにくい情報を見えるようにできる」,「繰り返し再生できる」,「映像や音声で分かりやすく伝えることができる」,「情報交換がやりやすく,その結果,考えを広めたり深めたりできる」など学習活動の幅が広がることが考えられる。

というように各教科、小中高ごとにしっかりした授業のビジョンと目的がありました

こういうの国はしっかり下の自治体に共有してほしいですね。もったいないです。




スポンサードリンク



教育情報セキュリティって誰が何すればいいの?


さて、上記のような話から教育情報セキュリティの向上が必要になってくるわけですが、

そこで言われているのが「教育情報のネットワーク強靭化」です。

つまり、

教員が児童生徒の出席簿や成績を管理する「校務系」

教員が外部とのやり取りを行う「校務外部系(インターネット系)」

教員・生徒が授業や調べ物などで利用する「学習系」

に現状のネットワークを分断する必要があります。

そうです、我々行政側の情報担当が平成28年に苦労して対応したものの教育委員会版です。

スクリーンショット 2020-01-19 11.52.23.png


ざっとこんな流れでの対応が必要になってきます。

  1. セキュリティポリシーの作成/改定

  2. ネットワーク分断の設計

  3. ネットワーク分断作業(システム構築)



スポンサードリンク



1.セキュリティポリシーの作成/改定

スクリーンショット 2020-01-19 11.52.09.png

すでに策定している自治体は必要ありませんが、

多くの教育委員会がセキュリティポリシーって何?状態かと思います。

そもそもセキュリティポリシーとは、

セキュリティの方針・指針であり、こんなことが考えられるからこういうルールにしよう、これはやっちゃ駄目!というような話をまとめたもの

です。

詳しくは、文部科学省が出している「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」をご覧になった方がよいでしょうが、とても長いです。。。



2.ネットワーク分断の設計

スクリーンショット 2020-01-19 11.39.01.png

セキュリティポリシーを定めたら、次はそれに則ってどのようにネットワークを分断し、

そのためにどのようなシステムを導入していくか考えるフェーズです。

この段階になると一般職の地方公務員ごときが考えるにはハードルが高いため、

コンサル会社の協力を仰ぐようにしましょう。


ちなみに、GIGAスクールとよく勘違いされてますが、

行政のネットワーク強靭化の時とは異なり、今回は国庫補助がありません

えっ!?なんで!!? ってなりますよね、絶対。

そもそもの話、国の年金機構の情報流出から始まった上、

教育が大事だ!なんて国会で言ったり、

SDGsでも教育の大切さが謳われたりしているのに…ですよ?

ようは、国民の目に見えないところにはあまりお金をかけたくないようです。

つまり、基本的に教育情報のネットワーク強靭化については、

国は自治体に 完全に超丸投げ状態 です。


文部科学省がまとめたFAQを見ていただければ国のやる気のなさが見て取れますよ。


国は言うだけ言って何もしてくれません。もう自分たちでやるしかありません!!



スポンサードリンク



3.ネットワーク分断作業(システム構築)


設計に沿ってシステムの構築をしていくフェーズです。

わたしの経験上、いっきに変えると文句の嵐を浴びせられます。

スモールスタートで導入しながら問題を洗い出し、

少しずつやり方を変えていってもらいましょう。

そのための説明会も必須ですね。


で、設計にも関連しますが、どのようなシステムを入れるべきか、

行政のときのネットワーク強靭化の反省も活かしながら、

次の記事で色々伝えたいと思います。



スポンサードリンク