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Point
  • 文科省は今年度中に児童生徒に1人1台端末を整備せよと言っています
  • 各市区町村の教育委員会は最適なOSを選択する必要があります
  • オススメはズバリ「Apple iPad」です


今回は児童生徒のために整備する端末についてまとめます。

なので、「GIGAスクール構想」「教育情報セキュリティ」といった話は置いておきます。

※前のブログと文科省の概要ページを見ていただくとわかりやすいと思いますよ。



そこで、行政の情報系職員ではありますが、教育系のことを頻繁に相談される自治体職員の立場として、

この三者のどのOSがよいのか比較・検討していきたいと思います。

  • iPadOS(Apple;iPad)
  • Windows10(Microsoft)
  • ChromeOS(Google;Chromebook)




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目次

1.文科省の補助金について
2.比較してみた
 2−1.価格
 2−2.動作
 2−3.周辺機器
 2−4.操作性
 2−5.セキュリティ
 2−6.サポート
 2−7.管理
3.結局どれなの?
4.まとめ



文科省の補助金について


比較に入る前に、今回の文科省の「1人1台端末」整備事業に対する補助金について、

整理しておいた方がいいと思います。

1台4.5万円の補助金を出すと言われていますが、実際の対象はどこまでなのでしょうか。

ここでは文科省のQ&Aから回答を提示したいと思います。

  • 無料の1~複数年の保証契約も含めた端末の価格(補償等の費用も含む)のほか、機器の運搬搬入費、設置・据え付け費用が対象となります。また、すでに1人1台環境が整備されている場合は、令和5年度までの端末の更新についても、対象となります。

  • キーボードについては、「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」のとおり必須としており、タブレット型の場合でも、ハードウェアキーボードを補助対象としています。

  • タッチパネル対応とQRコード読み取り機能については、「GIGAスクール構想の実現標準仕様書」のとおりモデル例として示していますが、学習活動の例示として、デジタル教科書や教材の活用、教科書に掲載されているQRコードを読み取る際などに機能が必要となることが想定されることから、機能を有していることを推奨します。

  • 端末管理(MDM)ツールを学習用コンピュータの必要な機能とし、「学習者用コンピュータ」として調達する場合は、補助の対象とします。(学習者用コンピュータと別個に調達する場合のように、単品(有償)として扱われるものは補助の対象外となります。)

  • 端末費が補助額を超える場合、その差額は自治体負担となります。




4.5万円を超えた分は各自治体の負担となります。

自治体ごとに予算を組む必要がありますが、4.5万円を超える場合は議会でそれなりに説明が必要になるでしょう。

しかし、パソコンやスマホをろくに使えない議員さんたちにその価値がわかるとは思えません。

ということは、端末1台の値段は基本的に4.5万円以内におさえる必要があるんです。


ちなみに、文科省ではこのようなモデルも出していますので参考にしてください。

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比較してみた


3つのOSを比較してみた結果が下の表です。(前提:4.5万円で購入可能な端末)

断っておきますが、わたしは全ての端末を個人的に所有しており、

所有歴も3つとも8年以上なので、いい加減な表ではないことを保証させていただきます。


価格
動作
周辺機器
操作性
セキュリティ
サポート
管理
iPad
(タブレット)
Windows
(パソコンまたはタブレット)
Chromebook
(パソコン)



それぞれ「◎(非常によい)」「◯(普通)」「△(微妙)」「✕(悪い)」で評価させていただきました。

詳しく見ていきたいと思います。


価格


WindowsやChromebookについては、安さが売りというところもあるので「◎」としました。

それに教育用「Microsoft 365」や「G Suite」が無料で利用できるメリットもあります。

一方iPadですが、おそらく価格面で外している自体対もあるのではないでしょうか。

実は、iPad(第7世代)(税込36,080円)とライトニングの有線接続キーボード(税込6,090円)に数千円のカバー等を追加してもなんとか4.5万円で抑えることができるんです。



動作


5万円以下のWindows端末を購入したことはありますか。

CPUは、CeleronかCore i3くらいでしょうか。遅いですよね。

端末の買い替えは5年と言われています。

ただでさえ動作の遅い端末が、5年するうちに経年劣化していけば、余計動作が遅くなります。

授業中に固まったり、遅すぎて先に進めないなどの問題が一番起こりそうなのがWindowsです。

わたしにとって、ここでWindowsを選択する理由は完全になくなりました。


周辺機器


Chromebookはそれほど周辺機器の品揃えはよくありません。

それに比べて、iPadやWindows製品は商品が豊富ですね。


操作性


iPadの良さは、直感で操作できるところだと思います。

画面に並ぶ使いたいアプリをタッチするだけですぐにやりたいことができます。

Chromebookもそれなりに操作は簡単ですが、デスクトップにファイルやアプリを置けないため、

iPadよりは何手間か余計な操作が必要です。

Windowsは一番普及していて操作が簡単に思えるかもしれませんが、

おそらく初見であろう児童生徒には色々できすぎてわかりにくいと設計だと思います。

設定画面なんて非常にわかりにくいですよね。


セキュリティ


iPadは、インストールできるアプリをApp Storeでしっかり管理していますし、アプリごとにアクセス権限も管理できますので、基本的にウイルス対策ソフトは不要であると言われています。

Chrome OSは、以下のページにもある通り対策が必要ありません。


Windowsは、ネットから様々なアプリケーションをインストールできてしまいますし、一番普及している分一番驚異を受けやすいため、様々な対策が必要です。


サポート


ChromeOSのよいところは、自動でOSが更新されることです。

容量も軽いため、アップデート自体もWindowsのように長時間かかうということはなく、あっという間に再起動して完了です。

購入から3年間しか更新できないという縛りもありましたが、

最近の端末は8年ほどの更新サポートをしているものもあるので安心ですね。

WindowsとiPadも長期間保証されていますが、ChromeOSのようなメリットはありません。


管理


管理面で最も優勢なのはWindowsだと思います。

日々サーバも運用管理するわたしからすると、使い慣れたものなのでわかりやすいという理由があります。

しかし、AppleやGoogleもアカウント作成や端末管理が簡単になるようなソリューションもあるようです。

正直、この分野についてはまだ触ったことがないので未知数ですが、

職員も業者もこれから苦労するであろうことが予想されますので、

ChromebookとiPad については「△」とさせていただきました。


iPadは、Apple School Managerとモバイルデバイス管理(MDM)ソリューションがあるようですが、

結局Microsoft Azure Active Directoryで認証する必要があり、

その辺がどのような使い勝手・価格になってくるのかも不安なところですね。 


また、自治体内の保守業者がChromeOSやiPadOSを保守対象にしていないことも想定されます。

業者さんはこの機会にWindows以外も保守できれば新たな道を開拓できるでしょう。



結局どれなの?


比較の結果として、わたしはiPadをオススメさせていただきます。

軽い動作や直感的な操作性はApple製品の強みだと思います。

他の端末と比べて圧倒的に不具合が少ないのも大きなメリットです。(若干印象も入っていますが。)

iPadを選択肢から排除している自治体は、再考してもいいのではないでしょうか。




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まとめ


わたしはiPadをおすすめさせていただきますが、

都道府県の一括調達で自由選択できなかったり、

近隣市町村と足並みを合わせて同一端末を導入する場合もあるようです。

それぞれ一長一短ありますが、児童生徒が快適に利用できる端末を責任もって選択しましょう。



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