Point
  • 本当に改革すべきはものとは?
  • 学ぶべきは中国のイノベーション企業!?
  • 自治体はなあなあに済ませる体質を抜けるべき


昨今日本政府から強く叫ばれる「働き方改革」。

人が減っていく中でどのように現状に対処し、そして今後ますます増えていく仕事をどうこなしていけばよいのでしょうか。

長時間労働や高齢者の雇用継続など言われていますが、

そんなことで解決する話なのでしょうか。

今では「真似をされる」側となった中国のイノベーション企業を例に挙げながら、

今後の自治体の向かうべき未来をITの視点で少し考えてみたいと思います。

※今回は非常に偏った意見を述べることをお許しください。

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自治体で本当に改革すべきもの


「業務量は増えるのに人は増えない」

たいていの自治体がこのような悩みを抱えていることと思います。

残業すればなんとか対処できそうなものですが、それっていずれパンクしますよね。

じゃあどうすべきか。

わたしは「働き方改革」のざっくりした狙いは、IT技術のさらなる導入とそれによる効率化だと考えています。


しかしそれ以前に変えないといけないことがあります。

それは、こういったものです。

  • 古い考えの人達の意識
  • 意思決定の仕組み

わたしが民間から来て思う公務員は、どうも保守的でチャレンジ精神がないように思います。

若手がいくら何か新しいことを企画しても、これまでのやり方で波風立てずに行ったほうが自分のキャリアが安泰ですから、どうしても現状維持という安易な考えに走ってしまうのでしょう。

また文書起案を例に挙げても、色んなところに決済をもらってやっとスタート、というとても非効率・かつ遅い決定の仕組みがあります。

こういったインフラ的な部分を改革しないことには、本当の「働き方改革」にはならないわけです。

つまり「働き方改革」の真の目的とは、古い考えや仕組みを再構築し、IT技術の力で職員にも地域の人々にもメリットのあるサービスを提供するすることだと思います。



セキュリティ的に大丈夫?中国の面白いイノベーション


「働き方改革」と言われるようになりよく耳にする技術は、

最近ですとRPAAI-OCR、他にもマイナンバーを利用したオンライン完結決済等でしょうか。

これらはすでに多くの方がご存知でしょうが、実はもっと革新的な技術は他にもいくつかあります。

それが最近中国で話題のこれらの技術です。


1.アリババの「ゴマ信用」


アリババといえば、中国を代表する企業ですね。

QRコードの「Alipay(アリペイ)」が有名ですが、アリペイで収集した信用データを元に個人を点数で格付けする個人信用情報サービス「ゴマ信用」があります。

ネット取引情報やクレカの返済履歴、資産運用履歴など総合的に自動で数値化されるシステムです。

この点数によっては、ビザの一部の申請の手間が省けたり、シェア自転車のデポジットが不要になります。


例えばこれを自治体職員の人事評価制度に応用します。

パソコンを使わずに仕事をする職員はほぼいませんので、

パソコン仕事の処理スピード、Office製品の熟練度、政府からの調査への回答、パソコンの操作履歴、作成文書の論理性などから信用や能力を数値化します。

ペーパーレス化が叫ばれているので、紙を印刷しただけマイナスポイントなども面白いでしょう。

このように機械が公平な基準で人を判断できる仕組みを作れば、

できる職員とできない職員の明確化、さらにはモチベーションアップなどにも繋がります。

若くて仕事のできる職員が、ほとんどネットサーフィンで時間をつぶしているようなアホな職員より給料が低いなんてことも、この客観的事実から改善されるでしょう。


2.Face++の画像認識システム


やはりアリババのECサイト「タオバオ」や中国公安当局が積極的に導入している技術です。

QRコード決済の次は顔認証決済がすでにもう実用化されています。

監視カメラで1km先の人物が超鮮明に判別できてしまう時代です。

Face++の技術で言えば、指名手配犯約5,000人もの逮捕に貢献しました。


これだけの精度で顔認証ができるのであれば、

上記のような地域の人々の信用データと紐付けることで、

いわゆる「お役所仕事」ではなく、その人の数値に合った融通の効く対応ができるようになるでしょう。

信用が高い人は、必要書類は後日提出でも申請を受け付けるなどですね。

また、おしゃべりをして歩き回るような職員がいれば自動で人事に通報されたり、

パソコンに近づいてくるのがわかったら自動でロックが解除される、

表情や行動から体調が悪いとわかれば休暇申請を自動で出してくれるなど、

わざわざ職員同士がコミュニケーションをとらなくても機械が自動で判別してくれるのです。

この他にもいろいろなことに応用出来ると思います。


3.iFlytekの音声認識識別システム


今は機械が音声を認識し、識別して瞬時に翻訳、テキスト化される時代です。

iFlytekの技術を使って実際に説明会などでそんな取り組みが行われているそうです。

iFlytekの自動翻訳機「訊飛翻訳機2.0」も馬鹿売れしているそうです。

最近はAmazonのAlexaが搭載されたスマートスピーカーなど音声技術が熱いのです。


当然庁舎に来庁される海外の方にはこのような最新デバイスが1つあれば対応が格段に楽になるでしょうし、

識別能力が上がれば声でパソコンに命令した複雑な作業を自動化、

RPAやAIも活用すれば業務量の多い作業が大幅に時短できるでしょう。

AIと結合させれば難解な説明会やその質疑応答も勝手にシステムがやってくれる、

職員や地域の人々の声をデータベース化して適切な答えを瞬時にサポートしてくれる、

よく意味がわからないことを言われた時も統計的にどのような質問なのか音声識別して表示してくれるなど、

あれもこれも技術をつなげれば難しいことも可能になるような気がします。

こう考えると議員という存在も不要になってきます。

なぜなら市民の声の代弁者は、ITの力さえあれば不要だからです。


まとめ


以上、夢のような話をしてきましたが、わたしがお話ししたことには様々な壁があります。

その大きな壁の1つが「セキュリティ」です。

人の言動や声を監視・分析するという行為が倫理的にどうなのか。

これが必ず問題提起されるでしょう。


中国であれば共産党の力づくで物事がスピーディに決定します。

人々の監視によって得られるデータは、中国の成長のために必要なものなのです。

そのビッグデータが新たな価値を生み、利益になっています。

データがあってこそより便利な社会になってきている、というのが人民に浸透していません。


わたしの言いたいことは、ある程度の犠牲を受け入れればそれ以上にメリットが出るということです。

ちなみに、何もこれらの情報をどこかに売って、例えばその人にあった広告表示に活用するなどという話ではありません。

よってたいした犠牲ではないのです。

しかし、いつかこんな時代が望むと望まざるとに関わらず本当に来ると思います。


そして、これらを導入する前にもやはり古い考えの人達や複雑な意思決定の仕組みが立ちはだかるでしょう。

公務員というのは、総じて事なかれ主義に終始することが多いです。

うちうちの話は、なあなあにして穏便に済ませようとするのです。

とても悪しき習慣だと思います。

チャレンジして、初めてみて、ブラッシュアップしていけばいいじゃないですか。

最初から完璧を求めるから日本は遅いんです。

古い考えの発言をしたら、音声認識して、信用データをマイナス。

意思決定に色んな人の確認が必要なら画像認識で場所を特定してすぐに確認してもらう。

そもそも意思決定を一本化するなどやり方はいくらでもあるんです。

公務員が変化を許容できるようになったらとても面白いと思うんですけどね。

保守的な考えはいらないので、思ってることは試してみましょうよ。

この世界の理に絶対の正解なんてありませんからね。