「地方自治情報化推進フェア2018」というのは、毎年10月中旬〜下旬にかけて、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)主催で行う自治体向けシステムの一大展示会である。

地方自治情報化推進フェア2018のホームページ


毎年最新の技術や他自治体の事例が拝見できるので小生としては楽しみである。

さて、今回のフェアで特にいろんな企業が取り上げていたのは以下のようなものであった。

  • ペーパーレス
  • オフィス改革
  • テレワーク
  • RPA(Robotic Process Automation)

小生が特に気になった技術について少し紹介していく。



1.ペーパーレス

これは多くの自治体で悩みのタネになっているものだと思う。

紙資料が膨大になり、机や事務室、倉庫までもが埋まっていっているのだ。

そこでウィングアーク様や東芝ソリューション様に紹介してもらったのが、

OCRで紙資料を読み込んでデータ化し、AIでデータを蓄積・分析・視覚化できるというシステム。

うん、素晴らしい技術だ。これさえあれば職員の無駄なパンチング作業がなくなる。

しかしこれはどちらかというと窓口の申請類に利用するシステムである。

小生が欲しかったのは、今ある膨大な紙資料を効率的にデータ化して整理するソリューションなのだ。

もっと低次元な話なのである。

とりあえずこれ以上紙を増やさない手でもいいからないものかと思っていた矢先、

日本電気の公演で閃いたのだが、

結局ノートパソコンに入れ替えてどこでも接続できるようにメッシュネットワークを構築すればいいのかな、

という結論に至った。

デスクトップ至上主義者たちとの戦いが楽しいである。



2.オフィス改革

何社か話を聞かせていただき、概ね、

集約できるものは集約し、動線を考えて配置し、自由な座席配置にし、よりよいコミュニケーションのために壁を取っ払おう

というのがざっくりな話だったように感じた。

確かに会議室がいくらあっても謎の勢力に占領されてどんどん使える場所が少なくなっていく…

いっそ西予市の山下氏のお話のようにオープンスペースにしてしまえばいいのだが、

なかなかそう壁を取り払うという発想は上層部に聞き入れてもらえなそうである。

ましてや壁は増える一方なのだから。

これはペーパーレスにしてスペースを確保してからのお話なのかもしれない。

オフィス改革はまだ遠い未来になりそうである。



3.テレワーク

正直、我が自治体のように支所がない自治体には縁のない技術だと思っていた。

しかし日本電気の公演を聞いて一番興味を抱いたのがこの技術である。

これから教育系のネットワーク強靭化が始まる上で、

先生たちが非常に興味を示すであろうテレワーク。

在籍管理の問題は「Skype for Business」や申告によって克服できているという実例を聞けたので、

これは在宅勤務が浸透するのもそんなに遠い未来ではないのではないか。

近い将来、自宅にいながら空中ディスプレイを操作し、AIに基本的な仕事をさせて人間は判断だけ、という世界が本当に来るのかもしれない。



4.RPA

実は小生の団体では、ある大企業の協力のもと、実証実験としてRPAをテストしているところである。

今回のフェアでも色々な事例を紹介してもらったわけだが、

小生の団体では基幹系の業務に焦点を当てているところである。

まだ効果が不鮮明ではあるが、確実に職員の単純作業は機械化されていっている。

これは単純に考えると機械がやってくれる分他の仕事に専念できるのだが、

恐ろしい解釈をすると機械ができることしかできない職員は不要になっていくのである。

公務員だから安泰、というのも神話になるのかもしれない。

あぐらをかいてないで、何か自分にしかできないことを極めていく道を取りたいと思う。